山古志村ふたたび

朝テレビを見ていたら、雪解けして春が来た旧山古志村の事をやっていました。
雪解けというと明るいニュースの様に思えますが、実際は、厳しい冬の積雪によって、せっかく地震で持ちこたえた家の多くが倒壊してしまった、という大変にショッキングな内容でした。
雪解け水で土砂崩れが起きたり、水路が壊れたりもしていて、地震直後よりも、更に深刻な事になっているそうです。


その一方で、倒壊した家の脇に山菜がたくましく育ち、倒れた電信柱の下から真っ直ぐ伸びたつくしが顔を出し、割れたガラスの間から春の野花が咲いている様子も映され、そこがかつて美しい自然に溢れていたに違いないことを、その映像は伝えていました。

山古志村ふたたび―中越地震復興応援写真集

この本は、20年間に渡り旧山古志村を撮り続けてきた、アマチュア写真家中條均紀さんによるかつての山古志村の写真の数々と、復興に向けての祈りの言葉で構成されています。
制作スタッフも全てボランティアによるもので、収益はすべて旧山古志村の復興に使われるとのこと。
本を手に取った人が、作り手側と一緒になって心から復興を応援したくなるような、そして復興支援のためじゃなくても、手元に置いて眺めたくなるような素晴らしい本です。

ここでも中條均紀さんの写真を見ることができます。
■山古志ふぁん倶楽部　中條均紀作品集


桃源郷の如く、優しく美しい風景。
一日も早く復興が進みますようにと、願わずにはいられません。山古志村ふたたび。