明→暗

宮崎駿が選んだ50冊の直筆推薦文展@西武池袋本店を見に行ってきました。
岩波少年文庫の中から、宮崎駿が50冊選んで推薦文を載せるという、素敵すぎる企画でした。


平和な気持ちで岩波少年文庫の中から宮崎駿監督に選ばれた50冊を見て回っていたら、急に思い出したのが、岩波少年文庫で読んで衝撃を受けた「あのころはフリードリヒがいた」。
ナチス・ドイツ時代の1920年代を舞台に描かれた本当に恐ろしく後味の悪い話だったのだけど、同じ頃に「ベトナムのダーちゃん」とか、「ねこは生きている」とか、「アンネの日記」とか、そういう暗い戦争ものに一気に触れたことで、ショックで眠れぬ夜を過ごしていたのでした。まあもともと寝付きの悪い子供でもあったけれど。


でも、「あのころはフリードリヒがいた」は今回推薦の50冊の中には入ってなくて、残念のような、でもちょっとほっとしたような気もしました。あの話は、平和なジブリの世界に浸っている子供たちにとっては厳しすぎるし。
子供心にああいう恐ろしい現実を知らせるというのも、とても大切なことのような気はしますが。


ところでポニョを見たとき、私はすごく怖くて、諸星大二郎か、高橋葉介の世界のようだと(好きですが)勝手に思ったのですが、子供たちは「ポニョかわいい!」って大喜びしていたわけで。同じようにポニョを見て恐怖したり、今回の50冊に入っていた「注文の多い料理店」や同じく宮沢賢治オツベルと象」を読んで怖いと思う子供ってあんまりいないんでしょうか。いることはいるのかな。


今の岩波少年文庫世代の子供が怖いものって、何なのかなあ。
あれ?話が変わっちゃった。すみません。

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))

あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))