愛と孤独、そして笑い

東京都現代美術館に行って来ました。
「愛と孤独、そして笑い」をテーマに11人の女性作家の作品の展覧会。


嶋田美子作「家族の秘密」の部屋は、小さな引出しの付いた古い家具が点々と置いてあり、引き出しを開けると、「母親にき○がいと言われた。やっと理解してもらえた」などという色んな意味で痛々しい告白や、「おじいちゃんの戦時中の日記の中身」や、「父親の愛人のこと」や、「身内に自殺者がいる」等々の、他人の家族の秘密を読むことができる、という作品。
ディープな内容が多く、暗い、嫌な気持ちになってしまった。それが狙いなんだろうけども。
部屋の片隅に黒いカーテンで仕切られた小部屋があり、訪れた人がそこで秘密を書き込んでポストに投函できるようになっていて、作者が引き出しの中身を毎週入れ替えていたのだそう。
秘密を残していった人たちは、あの小部屋の中で、どんな思いで封印していた秘密を書き綴ったんだろう。その秘密をまた封印して家族の元に帰った時、どんな表情を見せるんだろう。
表向きは平和な家族なんだろうか。それとも家族関係はすでに崩壊してしまっているんだろうか・・。
その後の事や、血の罪についてまで、色々と考えてしまう怖い作品だと思いました。


それから、鴻池朋子作「みみお」の鉛筆アニメーションを初めて見ました。
寂しい、哀しい話なのかと思ったら、そこにはちゃんと未来があり、ほんの数分間だったけど、いろんな事を感じ取れる、美しい作品だと思いました。
絵本があるそうなので、早速購入して読んでみよう。澁澤龍彦の小説の挿絵を書いてるとのことなので、これも要チェック!やっぱりナイフが飛び交ってるんだろうか・・・澁澤龍彦の小説は実はほとんど読んでないから、気になる。読もうかな。

みみお

みみお

狐媚記 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)

狐媚記 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)