長い長い電車の旅2

予定外に遠回りしてやっとたどり着いた豊川を後にして、飯田線の旅はまだ始まったばかりです。


走っては止まり、走っては止まり、いつまでも町中だね、などと言っていた風景は、一瞬ついうとうとしてるうちにいつの間にか山中の風景に変わっていました。


豊川から13駅、その電車の終点、本長篠に到着。

電車はしばらく停車した後そのまま折り返していきました。



約1時間程の空き時間、誰も居なくなったホームのベンチで甘い助六寿司をいただいたり、水の音を頼りに水源を探したり、あまりの心地良さにぼんやりしながら次の電車を待っていると、背中に大きなカゴを背負って、両手にはストックを持ったおばさんが線路を横切ってやってきました。


おばさんは「どこから来なすったの?」と気さくに声を掛けてくださり、話を聞いてみると、今からこの先の湧き水に洗濯をしに行くんだよ、との事。


湧き水の洗濯場なんて、昔話みたい!と興味本位で付いていったら、あまりにも険しい山道に行く手を阻まれ、あっという間におばさんは見えなくなってしまいました。



洗濯場は見たかったけど、とても自力で戻る自信も無く、おばさんの両手のストックはこういうことだったのね、と後ろ髪を引かれながらも諦めてホームに戻り、やっと来た電車に乗車して………すみません、続きはまた。