ふとアメリカとメキシコの国境の海辺の風景を思い出す。
日差しが刺すように鋭くて、空に一枚ガラスを貼ったような不思議な色をしていた空。
時々あの空を思い出して、強烈に見たくなる。
いつかまた、ポケットにパスポートとお金を突っ込んで、手ぶらでメキシコに行く機会はあるだろうか。
砂漠の道で、退屈だからつい始まっちゃう、知らない何台もの車とやらかしたデッドヒートも、またしたい。
何にもないアメリカの田舎とか、アルゼンチンの端っことか、イースター島とか、ポルトガルとか、ウルムチとか、トリスタン・ダ・クーニャとか、スヴァールバル諸島とか、アグラス岬とか、そういう「果て」みたいなところに行きたい。
そんなことを、ずっと思ってる気がする。
何だろうなあ。