子供の頃、床下や屋根裏に住んでいる何かの存在があった。
例えば、上の歯が抜けると軒下に、下の歯が抜けると屋根の上に歯を投げておまじないをしたし、またあるときには抜けた歯をハンカチに包んで枕の下に入れておくと、「秘密の誰か」が歯と引換に外国のコインを置いていってくれるのだ。
歯を投げた日には、自分のあの歯は今ごろ誰が何に使っているんだろうとドキドキしたし、枕の下に歯を忍ばせているときには「絶対寝ないで会えるまで起きていよう」と頑張ったりした。
物語や歌の世界を信じて、人間に見られてはいけない秘密が身近などこかに広がっていると信じていた。
実際には会ったことも見た事もないけれど、そんなふうに人と関わりのある「小さい存在」は、私が子供の頃には身近なものとしてあった。
何でこんなことを思い出したかというと、ジブリの新作「借り暮らしのアリエッティ」を見てきたから。
作った人は、この話が全然好きじゃなかったのかもしれない。理解出来ないかったのかも。
原作は、こんなに後味の悪い話なのかなあ。そんな、まさかね。
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