映画「太陽の子」、観てきました。
若干ネタバレあり、すみません。
原子爆弾を作る研究が、日本でも行われていた。遠心分離機の回転数が10万回転を突破した時、未知なるエネルギーが開放される。アメリカもソ連も研究を進めている。先に成功した国が世界の運命を決めていく。
その為の研究に取り付かれた純粋な青年を演じた柳楽優弥くん、ヤバすぎました。純粋さ故の澄んだ目は、形だけじゃない演技の凄さがありました。
テレビ版の春馬くんの出征シーンにもあった、母親の田中裕子さんが春馬くんの耳を触って見送り、春馬くんがそれに応えて、ほんの一瞬、本当に微かな笑みを見せて旅立って行くところ。
戦争のこと真剣に語り合う兄弟の横で、2人の幼馴染み役の有村架純さんが戦後の夢の話をするシーン。
その全てを包む田中裕子さん演じる母親の存在感。
若干もどかしく物足りなく思う所もありましたが、物足り無さを田中裕子さんが補ってくれているような、母親の説得力がありました。
リチウムが消えてヘリウムに変わるとき、目が潰れても良いと思えるようなキレイな緑色に光る、という話ではチェレンコフ光を思い出しました。怖い。
それからどうしても何で春馬くんは本当に逝ってしまったんだろうと考えずにはいられないのだけど、この映画の出征シーンの最後のあの表情が重なって、絶望してというよりも本当は生きたかったけど生きる道を選べなかった、何かしらの余程の事情があったのかもしれないなと思ったり。
アメリカが未知なるエネルギーを手に入れた時、その宣言をした時点でもう日本に勝ち目なんて無かったのに、結局2種類の原爆を使われてもまだ降伏しなかった日本って、一体どうなっていたんだろう。世間的には原爆が戦争を終わらせたことになってるけど、原爆が広島に落とされるという情報を湯川秀樹は事前に知っていたという話もあるし、広島から終戦まで9日、長崎から6日も掛かってる。
映画の中でも3つめは京都だとかいって、見物するために比叡山に登ったりしてた。
色々とめちゃくちゃです。
でも母の握ったお握りを食べて思わず人間味を取り戻す。ここの長回しのシーンは印象的でした。
まだまだ知らない、分からないことが沢山あるなあ。当たり前だけど。