安野光雅追悼「洛中洛外と京都御苑の花」展@横浜高島屋ギャラリーに行ってきました。
「旅の絵本」をはじめ、「ふしぎなえ」「もりの絵本」「ABCの本」「天動説の絵本」等々、子供の頃から安野さんの優しい水彩画が大好きでした。
今回の「洛中洛外と京都御苑の花」展は京都各地の寺社仏閣や街並みの風景、人物、京都御苑に咲く花など、比較的最近描かれた原画の展覧会で、晩年にこんなに日本の絵を描いていたんですね。産経新聞の連載用だったようです。
晩年はお若い頃よりも大きく捉えたような淡い優しいタッチで、添えられた文章もたっぷり。
印象的だったのは、ヤブコウジの赤い実が美しかったので黄色い葉を添えたら自然ではなくなってしまい、後悔してその葉っぱを取り除いたが、もう最初の美しい世界は戻ってこなかった、という一文。
わざわざ添えたものが思った程良くなくて、取り除いても元の世界が取り戻せなかった、というのは何か教訓のような話です。そういうこと、何か身近にもあるような気がする。
このご時世なので行けない方は本をどうぞ。扱いやすいサイズです。
こちらは文庫サイズの植物画の本。
私は今回はポストカードと、中勘助「銀の匙」に安野光雅さんが挿絵を描いた本を購入。近所の昔ながらの喫茶店で読もうかな。
旅したいなあ。どこでも良いから旅したい。