「聲明コンサート ~ 仏教音楽の世界」@エコルマホール。

「聲明コンサート ~ 仏教音楽の世界」@エコルマホールに行ってきました。


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一部は聲明の解説、二部が聲明で客席の一番後ろに大日如来様の掛け軸を掲げて、そこに向けて唱える形でのコンサートでした。


以下、演目と解説を頂いたので一部メモ。


◆吹螺三声(スイライサンセイ)
一切の衆生を覚悟させ、また諸々の罪を消滅させるために法螺を吹きます。法螺の音には善神を呼び集め、悪魔を降伏する力があるともされています。

◆四智梵語(シチノボンゴ)
真言宗の教主である大日如来を賛嘆する梵語の曲。7世紀頃、インドで作られました。四智梵語と呼ぶのは、この曲が四如来(阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就)の智慧を表していることによります。

三宝礼(サンボウライ)
「仏」・「仏の教え(法)」・「仏の教えをひろめる僧」の三宝に対して礼拝をする際に唱えられる曲。

如来唄(ニョライバイ)
如来の長寿を讃嘆する曲。老僧のように重々しく唱え、参列者が心静かに法要を臨めるよう道場を静粛にします。

◆散華(サンゲ)
香華(香りの良い花)を道場に散らして本尊に供養する漢語の讃歌。散華師が頭句(冒頭のソロパート)を発音し、職衆が助音(斉唱)します。(花を模した紙を散らしていて、終わってから配っていたけど無くなってて頂けず。どんな香りが付いてたのかな)

◆対揚(タイヨウ)
散華の付随曲。散華師と職衆が交互に本尊を称讃します。「対揚」とは、仏の説法の場において、問答を行って仏の意向を発揚する意味。

◆発願(ホツガン)
「発願」とは行いを発こすこと。仏法が興隆し、五穀が豊かに実り、施主が無病息災に護持され、ひいては全世界に平等の利益があるようにとの願いを発します。

◆四弘誓願(シグセイガン)
全ての仏菩薩が起こす四つの誓い(衆生無辺誓願度・煩悩無辺誓願断・法門無辺誓願学・無上菩提誓願證)を唱えます。

◆表白・神分(ヒョウビャク・ジンブン)
「表白」で導師が本尊に対して法会の趣旨や所願を申し述べ、「神分」で仏教を守護する神々に法楽(読経等により神仏を楽しませること)を捧げ、施主の願意の成就を祈願します。

◆勧請(カンジョウ)
釈迦如来をはじめ、諸々の如来、尊き聖教、諸菩薩、仏法守護の諸天を至心をもって勧請(仏の来臨や神託を請い願うこと)し、人々の願いが成就することを祈ります。

◆揚経題ー転読ー(ヨウキョウダイ テンドク)
導師が経の第一巻を取り、経題(『大般若波羅蜜多経』)及び品号(「初分縁起品第一」)を唱え、職衆は導師の「一切諷誦」の呼びかけに応じて経を大音声に転読します。

◆経釈(キョウシャク)
大般若波羅蜜多経』「初分縁起品第一」を解釈し、その大意を述べます。まず「諸法皆空」の教えを明かし、次に「題目」について、続いて「経文」についてその教えを解説します。

◆結経揚経題(ケッキョウヨウキョウダイ)
導師が経の第六百巻目を取り、経題と品号を唱えます。続いて結経転読として、職衆は各自の末巻を大音声に転読します。

◆東方讃(トウボウノサン)
金剛薩埵を讃嘆する梵語の讃。全体を早めに、かつ頭句を隣座の人が驚くほどの大音声で唱えます。これは金剛薩埵が速やかに万徳を円満する意味です。

◆補欠分(ホケツブン)
最後に、この法要が完全なもの(不足がない)ように、導師が釈迦如来等の名を唱えます。更には、この法要を修した功徳を以て、我々を悟りの世界へ誘ってくれるよう祈ります。

◆神祇宝楽(ジンギホウラク)
道場に招いた諸仏・諸神と共に、この法会に参列した悦びを讃える真言等が唱えられます。


以上。


普段使わない言葉だから解説の説明も難しくて分かりませんが雰囲気はなんとなく、という感じです。
真言聲明の特徴的なコブシの利いた聲明でした。
法螺貝の曲から始まり、暫くは朗々と瞑想のような時間が流れ、折り本になっている経巻を1冊ずつ上から下へばらばらと広げて落としながら大音声(ダイオンギョウ)で経を唱える転読は圧巻!
それから銅鑼のような楽器(銅鑼とは違うと思われる)と、鐘の音が素晴らしかった。長く余韻の続く美しい鐘の音は、それだけで魂が静まる気がする。
不協和音のように聞こえる転読もあったり、全体を見ると起承転結があり抑揚もあり、コンサートとして大満足だし、何だかスッキリしました。


天台聲明はコブシがなくて旋律の動きが穏やかだったり、宗派によって色々と特徴があるそうです。団体?によっても全然違いそう。宝楽太鼓とか木剣加持もちゃんと聞いてみたいし、前にお祓いして頂いたときは笛があったと思うし、仏教音楽だけでも色々あって面白い。


他の宗教音楽でも、キリスト教はゴスペルやグレゴリオ聖歌、讃美歌、レクイエム等々、イスラム教のコーラン、ズィクル、スーフィズムはカッワーリー。ヒンズー教マントラチベット密教の声明等々。生で見る機会はなかなか無いものもあるけど、機会があれば是非。