ユーリ・ノルシュテイン監督特集上映 「アニメーションの神様、その美しき世界」

ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映 「アニメーションの神様、その美しき世界」@イメージフォーラムに行ってきました。 短編6本の上映でした。


『25日・最初の日』(1968年:10分)
ロシア革命を描いたデビュー作。
分析的キュビズムのような町並み、モノクロの映像の中の赤が印象的でした。


『ケルジェネツの戦い』(1971年:10分)
戦争に巻き込まれる村が舞台。人々がパートナーを失っていく所。フレスコ画の切り絵がもの悲しかった。


『キツネとウサギ』(1973年:10分)
幸せだった頃を思い出して大粒の涙を流すウサギが可哀想で、ウサギを助けようとしてくれる動物たちがみんな可愛すぎて愛らしかった。熊が花を編んでた。可愛い。鮮やかな雄鶏。スカートをはいたキツネ。フレーム。


アオサギとツル』(1974年:10分)
お互いに結婚を断っては後悔して追いかけて、求婚して断られて、、、ずーっと永遠にすれ違ってて欲しい。すれ違ってるけどバランスが取れているし、実は幸せだと思う。美しかった。風景が本当に美しかった。


『霧の中のハリネズミ』(1975年:10分)
霧の中でハリネズミが不安と戦い、脅かされたり助けられたりしながら子熊に会いに行く話。物音や声や息遣いが、霧の中で際立って印象的。困難を乗り越えて、友達の子熊とお茶を飲みながら星を数えるラストシーンは至福の時。


『話の話』(1979年:29分)
夢の中のような、遠い記憶のような。それぞれのシーンや登場するキャラクターが象徴的で意味深で、美しく詩的な世界。


どの映画にも断片的に心に残るシーンがあって。数年に一度遭遇する、見る前と見た後、というくらいの衝撃かも。
ずっと前に葉山の神奈川県立美術館で開催されていた展覧会は遠くて躊躇してるうちに行きそびれてしまった。DVDは絶版で値段が高騰してたのでどうしよう、どうしよう、と躊躇していたら、Blu-rayとDVDの発売が決まってた!ありがとう!


良いものを良い状態で残そう、という愛と情熱を感じます。映画のパンフレットもポストカード型になっていて、すごく可愛い。美しい。愛ですね。



映画を見た後、渋谷でコーヒー飲みに入れるお店が無くてさ迷っていたら雪が降ってきて、寒いけど映画にぴったり、と思ってたらすぐに止んで、数分後にはもう雲に切れ目が見えていた。


昔々、乗っている自転車の前輪が霞むくらい深い霧の中、誰もいない田舎道を帰ったこととか、旅行先の山道で、カーブを越える度に雪と星空を繰り返すお天気雪に遭遇したことを思い出しました。いつ、どこでだったのか覚えてないけど。自転車は中学生の頃かな。近年、そんなに深い霧に包まれてないなあ。


少し春に近づいてきたけど、まだ寒い。