ミュシャ展@国立新美術館

平日休み、確定申告を済ませて、ミュシャ展@国立新美術館に行ってきました。


ミュシャ見るの久しぶり!と、心の準備もせずに入って、ものすごく巨大な絵画群の不意討ちを受け止められず(笑)


目が泳いじゃって、一旦思わず普通のサイズのコーナーに逃げちゃいました。


こちらは通常の、あのミュシャ独特の文字と美しい人と花。その中にはミュシャデザインの切手と紙幣もあって、偽物でもいいから欲しくなりました。
何でミュシャの曲線は見ていて幸せな気持ちになるんだろう。優しくて、気持ちが良くて。


知っているミュシャを見て少し落ち着いた所で、改めて最初の巨大絵画のコーナーに戻ったら、先程よりちゃんと絵が見えてきて、そこには見たことの無いミュシャの世界がありました。


スラブ民族の歴史から主題を得て制作されたという晩年の大作、「スラブ叙事詩」全20点。チェコ国外での20点の公開は初めてとのこと。


すごい。ものすごい。大きさも半端なくて、どこで描いたんだろう?とか、どうやって運んだんだろう?とか、こんな大事なものを良く貸してくれたね、とかチェコの美術館に出来た大きな空きスペースはどうなってるんだろう?とか、色々考えてしまいました。


そしてそこに描かれた大勢の人たち。


栄光があり、戦いがあり、宗教があり、スケールが壮大で、吸い込まれてしまいそうな迫力がありました。そしてこんなにも大きくても揺るがない、計算され尽くした構図。本当に圧倒されました。


ポスター画とは全然違う、ミュシャがパリで大成功した後に、完成までの長い期間集中して描いていた「スラブ叙事詩」。
華やかさの対極にあるような、強烈に描き込まれている人々の思い。
ものすごいものを見てしまった。


今回、まさかこんなにすごいものを見ると思っていなかったので、本当に驚きを持って見ることができて良かった。


これは必見!

東フィル シーズン演奏会。

東フィル シーズン定期演奏会@東京オペラシティコンサートホール、行ってきました。今回はロシア作曲家並びのプログラム。


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」


ラフマニノフのピアノは松田華音さん。
ロマンチックな演奏。素敵なピアノ。感涙。


そして、1987年生まれのめちゃお若い、アンドレア・バッティストーニの指揮も初めて見ましたが、譜面台も置かない、音楽が完全に入ってる感じはとても好感が持てるし、時に指揮台上で飛び、声を発し、沈黙の時間を作り、楽曲を体現して、甘く力強く特に最後は呼吸も抑えてしまうような、長い長い沈黙。緊張感。オーケストラは繊細に豊かな音を奏で、本当に心地良かった。


東フィルの首席指揮者ということは、沢山コンサートやってたんですね。これからもやってくれそうです。


コンサート終了後、CD即売サイン会があって、長い行列が出来ていました。大人気!


9月の彼の指揮の「オテロ」のチラシが入っていて、映像演出がライゾマティクスリサーチって。
何するんだっていうのもおかしいけど、何するんだろう。どんなステージになるのか、気になるなあ。


ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」

レスピーギ:ローマ三部作

レスピーギ:ローマ三部作

松田華音デビュー・リサイタル

松田華音デビュー・リサイタル

包み込まれる。

NYから田井中福司dsを迎えて...ビバップスペシャルライブ@Cafe Cotton Club 高田馬場、行ってきました。

メンバーは、田井中福司さんds 原川誠司さんas 田窪寛之さんp 金森もといさんb
時間と最寄り駅だけ聞いてて、どなたが、どこでライブをするのかすら分からないままただ着いていって、結果、Jazzのライブであんなに温かく柔らかく包み込む様なグルーヴを体験したのは初めてかも。
シンバルの音だけで、HH踏む音だけで、なんという気持ちよさ。
そして彼を取り巻く若いミュージシャン達の音の色っぽいこと。アドリブの冴えてること。そしてみんなカッコいい!
聞けば前日は水戸で、今日の1/3位のスペースで満員の中のライブで、ものすごい至近距離だったらしい。
それは盛り上がったことでしょう。
今日のライブでも連れていってもらって本当に良かった。
楽しくて、幸せになって、最高でした!

「やつらの足音のバラード」

ムッシュかまやつさんがお亡くなりになったそうですね。
やっぱり「やつらの足音のバラード」が思い出深いです。物心付いた頃かなあ、生まれて初めて買ってもらったレコードは「およげたいやきくん」だったけど、子供心に「なんて良い曲なんだろう」と思った最初の曲はたいやきくんより少し前のこちらの曲かもしれない。この曲とムッシュかまやつさんが結び付いた時から、あの曲を書いた人、という認識でいました。
ゴロワーズを吸ったことがあるかい」を聞いて ジャン・ギャバンがよれよれのレインコートのエリを立てて短くなるまで吸うシーンのある映画を探したり、ゴロワーズを試しに吸ってみたり、なんてこともありました。両切りのタバコ、吸うの難しかったな。
こういう方が居なくなるのは寂しいです…合掌。

ユーリ・ノルシュテイン監督特集上映 「アニメーションの神様、その美しき世界」

ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映 「アニメーションの神様、その美しき世界」@イメージフォーラムに行ってきました。 短編6本の上映でした。


『25日・最初の日』(1968年:10分)
ロシア革命を描いたデビュー作。
分析的キュビズムのような町並み、モノクロの映像の中の赤が印象的でした。


『ケルジェネツの戦い』(1971年:10分)
戦争に巻き込まれる村が舞台。人々がパートナーを失っていく所。フレスコ画の切り絵がもの悲しかった。


『キツネとウサギ』(1973年:10分)
幸せだった頃を思い出して大粒の涙を流すウサギが可哀想で、ウサギを助けようとしてくれる動物たちがみんな可愛すぎて愛らしかった。熊が花を編んでた。可愛い。鮮やかな雄鶏。スカートをはいたキツネ。フレーム。


アオサギとツル』(1974年:10分)
お互いに結婚を断っては後悔して追いかけて、求婚して断られて、、、ずーっと永遠にすれ違ってて欲しい。すれ違ってるけどバランスが取れているし、実は幸せだと思う。美しかった。風景が本当に美しかった。


『霧の中のハリネズミ』(1975年:10分)
霧の中でハリネズミが不安と戦い、脅かされたり助けられたりしながら子熊に会いに行く話。物音や声や息遣いが、霧の中で際立って印象的。困難を乗り越えて、友達の子熊とお茶を飲みながら星を数えるラストシーンは至福の時。


『話の話』(1979年:29分)
夢の中のような、遠い記憶のような。それぞれのシーンや登場するキャラクターが象徴的で意味深で、美しく詩的な世界。


どの映画にも断片的に心に残るシーンがあって。数年に一度遭遇する、見る前と見た後、というくらいの衝撃かも。
ずっと前に葉山の神奈川県立美術館で開催されていた展覧会は遠くて躊躇してるうちに行きそびれてしまった。DVDは絶版で値段が高騰してたのでどうしよう、どうしよう、と躊躇していたら、Blu-rayとDVDの発売が決まってた!ありがとう!


良いものを良い状態で残そう、という愛と情熱を感じます。映画のパンフレットもポストカード型になっていて、すごく可愛い。美しい。愛ですね。



映画を見た後、渋谷でコーヒー飲みに入れるお店が無くてさ迷っていたら雪が降ってきて、寒いけど映画にぴったり、と思ってたらすぐに止んで、数分後にはもう雲に切れ目が見えていた。


昔々、乗っている自転車の前輪が霞むくらい深い霧の中、誰もいない田舎道を帰ったこととか、旅行先の山道で、カーブを越える度に雪と星空を繰り返すお天気雪に遭遇したことを思い出しました。いつ、どこでだったのか覚えてないけど。自転車は中学生の頃かな。近年、そんなに深い霧に包まれてないなあ。


少し春に近づいてきたけど、まだ寒い。

上乗せ。

何故だろう。
父は早く年を取りたいみたいだ。
長生きして数えられなくなったのか、長生きしてるけどもっと長生きしたいのか?
何故か実際より上に年齢を思い込んでいたらしい。


まあ、その勘違いも修正できて。
運の良い人生だった、今が人生で一番良い時だって。
どんな心掛けでどう生きればそんな人生を歩めるんだろうか。
娘だけど全然分からない。


分からないけど、誕生日に惑星のようなチョコレートとハンドクリームをあげた。
ハンドクリームは父の為に選んだけど、母のものになったらしい。


仲良しで元気でなにより。

ヨコハマ映画祭に行ってきた。

毎年の恒例、ヨコハマ映画祭に行ってきました。
今回は姉は残念だったけど代わりにチイが付き合ってくれて。


今回の上映作品は「ディストラクション・ベイビーズ」「湯を沸かすほどの熱い愛」「この世界の片隅に」の、ヨコハマ映画祭らしい3本に加えて、横浜を舞台にしたショートフィルムが2本。


ディストラクション・ベイビーズ
この映画にはモデルがいるらしく、その人は現在は普通に暮らしてるんだって。
その人はどこで戻ってこれたんだろう?気になる。その人の人生が気になる。


柳楽優弥くんはほぼセリフ無く、感情を暴力と表情で表していて不気味だったけど、授賞式では感極まって言葉に詰まってて、本当は感情の豊かな人なんだな、本当に本気で映画に取り組んでる人なんだなと思った。
菅田くんの役は一番のクズだった。早く死んだ方が良いクズ。でもそのクズ役をさらりと演じてしまう菅田くんはやっぱり只者じゃない。


一緒に見てたチイには評判悪くて、ずっと痛いし気分の悪い映画ではある。ごめん。背景とか根拠とか、及ぼす影響とか、そんなものはすっ飛ばしてとにかくすごいもの見ました。誰にも媚びてない、オススメする相手を選ぶ映画。


「湯を沸かすほどの熱い愛」
こちらは映画らしい映画。
タイトルに偽り無し。ポカポカです。
杉咲花はじめ、子供役の子達がみんな素晴らしく、周囲を固める大人たちも愛らしくて憎めなくて良かった。
ただね、所謂「肝っ玉母ちゃん」がちょっと苦手なのでそれがちょっと辛かった。
宮沢りえの肝っ玉母ちゃん、やっぱりキレイ。キレイで可哀想で、愛のある話でした。


この世界の片隅に
第38回ヨコハマ映画祭の作品賞はこれ!
素晴らしい。本当に素晴らしい。


映画は上映されなかったけど、三浦友和さん素敵だった。花束用意して行けば良かった。
のんちゃんキラキラしてた。可愛かった。すずの声も良かったなあ。


それから、ヨコハマ映画祭の授賞式は受賞者のコメントも楽しみだけど、賞状の文言が映画愛と尊敬の念に溢れていていつも素敵です。
スポンサーの付いてない映画祭の運用は大変だと思うけど、同じ姿勢で頑張って欲しいです。
今年も素晴らしい映画祭をありがとうございました。


大崎章監督の新作、まだかな。見たい。待ってます。

脳は怖い。

姉と次に会うのは映画祭かユーリノルシュテインか、の予定だったのに、姉が職場で倒れ、救急車で運ばれてそのまま入院。脳梗塞の初期症状だったみたい。
私が病院に行ったときにはもう普通に会話も出来たし、手が勝手に動くことも無く、大事には至らず本当に良かった。
でもMRI でもCT でも異常が見付からないってどういうこと?
退院したら、もうなるべく早くセカンドオピニオンしてほしい。
脳は怖いよ。

お別れ。

悼む人たちと、花を手向けて、手を合わせて…


そして、献杯
この記憶を共有出来る人がいることが心の底からありがたかった。
昔の事過ぎて、特別な時間過ぎて、起きていたことが本当に現実だったのか、自信が無くなっていたから。


でも、ノスタルジーを味わって良いんだって。
あの時代を一緒に過ごせたことは特別な事だから、ちゃんと思い出にして良いって。
沢山泣いて沢山落ち込んだら、いつか自分を許せるようになるって。
何もないより、思い出がある事に感謝しなきゃダメだって。


でも、優しいからって、ひとりでしんみりとお別れしたかったに違いない人に甘えて、ごまかして、一人になってから色んな反省の思いがごちゃ混ぜになってすごく落ち込んだ。はあ、もう。もう。もう。


ご迷惑お掛けした方、ごめんなさい。


ありがとうございました。

はじめの。

思い出したので書いておく。


合唱団とか家族以外で最初に私に沢山音楽を教えてくれた中学の美術の先生。


ジョン・レノンが好きで、ジョン・レノンの眼鏡をかけて美術を教えてくれた先生。


何故かその先生は、私が特に何かやったわけでもないと思うのに、サディスティック・ミカ・バンドとか 渡辺香津美とかプラスティックスとか、その当時でも同級生が絶対聞いていなさそうな音楽のカセットテープを色々くれて、音楽の話を沢山してくれた。


何十年も昔とはいえ、どう考えても女子中学生には渋すぎるラインナップだったなあ。ありがたい。


お元気かな。